子どもは大阪万博を楽しめるか?
先日、6歳息子と大阪万博に行ってきました。
美術館とか博物館などもそうですが、この手のものは会期終了が近づくとどんどん混んでいく(そして夏休みシーズンも混みそう)のと、これから暑さも厳しくなるので、梅雨時期で悩みましたがギリギリ今かな、と。
結果的に曇り中心&小雨で比較的過ごしやすく、6歳も2日間、開園〜閉園まで過ごせていました。
万博は幼児にとって楽しめる場所なのか…という心配
今回私たちが万博に行こうと思ったきっかけは、福岡伸一さんのいのち動的平衡館パビリオンに惹かれたことにあったのですが、動機がある私たちはともかく、子どもは楽しめるのかな…?ということが気になっていました。
というのも、モンテッソーリ教育をベースに今の子どもの発達段階から考えると、
- 発達の段階としてはまだ抽象的な思考が発達していない、またはその発達途上にある
- 知識的にはまだそれほど多くの国を知らない、あるいは関心が高くない
- それゆえ、いのちという抽象的なテーマや自分にとって未知の国について、抽象的な情報&自分の想像力で十分に受け取り理解しきれない可能性が高い
- 仮に平仮名を拾い読みできたとしても漢字が理解できず、文字情報からも受け取れるものが少ない
…ということが思い浮かんでいたからです(就学後のもう少し発達の段階が進んだお子さんはまた状況が違うと思いますが)。
万博が展示会の集まりだとすると、展示を見て深める類のものは幼児は理解は難しいし楽しめないかもしれない…という心配がよぎっていました。
幼児期に楽しめそうな要素
では、モンテッソーリ教育の考えをベースにしてみると、幼児は万博でどんなことだったら楽しめそうなのかなというのをいくつか書いてみます。
- 手で直接、具体的に触れられるものがある
- 音・匂い・温度など五感で感じられるものがある
- 体を動かせる(粗大運動)
- 手や指先を使った活動ができる(微細運動)
幼児期の発達段階にある子どもは、自分の手で具体物を触ったり、自分の感覚を通じて周囲の環境の中にあるものをどんどん吸収していく。大人が言わなくても自分からそういうことがしたいし、その活動によって自分自身を育んでいくと言われています。
こんな要素があれば、幼児期の子どもがまさにやりたい活動だったりするので小さいお子さまでも楽しめそうだなと思いました。
実際どうだったか?
例えば、日本館とかフランス館などは大人の私たちにとっては見応えもあり、むしろその場で消化しきれないぐらい受け取るものがたくさんあったりしたのですが、子どもは「ふーん」という感じで面白みや楽しさはあまり感じていなさそうな印象でした。
やはり自分が参加しながら体感できる、五感体験型のものは楽しそう。
ヘッダー写真のくらげ館も、音、映像、身体を使った動きありで好印象でした。
以下の写真のように触れる系のものが置いてある海外パビリオンも結構あったので、子どもの足や体力と相談ですが色々まわって実際触れてみると良い体験になりそうです。





(余談ですが、塩でできた展示ルームは結構インパクトがあったようで、ここで塩の種類の話に興味を示していたので、帰ってきてこれからの子どもの活動の展開につなげていけそう。)
会場内に遊具やオブジェのようなものがあって全身を使って遊んだり、いのちパークのミストも温度感覚や視覚的に楽しそうにしていました。
あと、展示を楽しむよりひたすら集めるのが目的にはなると思いますが、、、万博会場内でのスタンプラリーも参加型なので、子どもも楽しめるのではないかと。

実際、抽象的なものではなく、具体的に肌で感じるもの、動かせるものが息子にはフィットしていそうでした。
大人としてはジレンマもありつつ… ではどうするか
子どもにとってはおそらく、見るだけの展示は退屈ですぐ飽きがちなのですが、とはいえ、幼児でも楽しめる体験ばかりを巡ると、今度は大人が物足りなく感じる…そのジレンマがなかなか難しいところ。
今回自分たちが、見て、より理解を深めたいという動機で万博に来たこともあり、「せっかくだから、もっとじっくり見たいし読みたい…」という気持ちもあり。
予約が取れたパビリオンの時間や、自由入場のパビリオンの並び状況にもよるのですべてが自分でコントロールできないですが、
- 子どもが楽しめる体験型のパビリオン
- 大人の自分たちの興味があり、じっくり見たいパビリオン
を交互にするなど、双方の「楽しい」をどちらか一方に偏りすぎずに両立させるか、
何回か行けるチャンスがあるのであれば、
- 子どもと一緒に行く時は、テーマパークに来たと割り切って一緒に体験型で楽しむ方に振り切る
- 別で大人だけで来て、自分の興味関心にそってじっくりたっぷり鑑賞する
ができると、お互いにとって良い時間の過ごし方ができそうな気がしました。
日本で開催される万博に行けるチャンスはそうないので、せっかくの機会、大人も子どもも楽しめる時間になると良いですね。
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