完璧じゃなくていい。たった2〜3分が育児を救ってくれた話
現在我が家の子どもは1歳。妊娠中も出産後も育児に関して全くと言っていいほど調べものをしてこなかった不勉強な母ですが、子どもと過ごす中で知る機会があり、取り入れて良かったなと思うことがいくつかあります。
今日は、0歳の時から1歳の今でも続いている絵本の待ち読みについて。
ある日、夫が仕事から帰宅すると、今日は子どもに絵本を買って帰ってきたんだ、と言うのです。
「今まで絵本なんて買ってきたことなかったのに、めずらしいこともあるもんだなぁ」と思いながら見せてもらうと、買って帰って来たのは『ぽんちんぱん』という絵本。
「こういうのが良いらしい」と言われ読んでみると…。率直に言えば、「うーん… かわいいけど、ストーリーとかもないし、この絵本がそんなに良いの?」という感じ。
知人との集まりの場で内田早苗さんに出会ってお話を聞き、「それは良いな!」と思って早速プレゼントに買って来たらしい(早速試してみるその好奇心と行動力はにはいつも脱帽なのですが)。
せっかく買ってきてくれたし、とたまに気が向いた時に子どもに読んでみたりしているうちに、たまたま色んな事情が重なって早苗さんが我が家に来て絵本講座をしてくれることに。
早苗さんの待ちよみ講座は現在オンラインで受けることができるようなので詳細は割愛しますが、例えば、教えていただいた絵本導入期の5要素は子どもに本を選ぶときの手がかりとして今でも助けになっています。前述の『ぽんちんぱん』という本にも、子どもが聞いていて心地の良い、そして発音しやすい両唇音という”音”の要素や、同じようなリズムやフレーズが繰り返し出てくる”繰り返し”の要素が入っていたりします。
(ちなみに余談ですが、”繰り返し”は、今学んでいるモンテッソーリ教育でいう人間の傾向性とも関連があり、また、同じパターンが繰り返されることは秩序があって予測がつくということなので、安心感や数学的頭脳を育むことにもつながりそうだなーと思っていたりします。)
また、読み方を知り、読んだ上で子どもの様子に意識を向けて見守ることは、何度も同じページを繰り返し読んで「今そこが気に入っているのね」ということに気がついたり、「そこに興味があるの!?」という意外な発見につながったりして、自分にとっても楽しくて面白い、コミュニケーションとスキンシップの時間になっています。
講座を受けた当時、実は私はかなりいっぱいいっぱいの状態で余裕がなさすぎて…
割とフルに近い状態で仕事をしていたので、
すごく仕事を頑張りたい気持ちや結果を出したい気持ちがあったり、
だから仕事に集中できる時間をできるだけ確保したくて、(子どもはいっぱい動きまわりたいかもしれないのに)子どもが昼寝したり静かに過ごしてくれる時間をとっても期待している自分がいたり。
一方で、
子どもが泣いて私を呼んでいる時、急いでやらなければならない仕事があるとすぐに駆けつけてあげられない自分がいたり、
1日が終わったときに「今日も全然子どもに向き合ってあげられなかったな」と反省する自分がいたり。
そんな毎日を過ごしているうちに「仕事も育児ももっと力を注ぐことができればもっとできるはずなのに、どっちも中途半端だなぁ…」というもやもやした気分になってきていた、そんな時でした。
講座の時に、早苗さんに絵本も30冊ほどセレクトしてもらって購入したので、翌日から朝仕事を始める前とか、お昼ごはんの前後とか、夕飯の準備をする前とか、いわゆるスキマ時間を使って1日1冊読むというのをやってみると、、、なんだか私の状態がどんどん良くなっていることに気づいてきて。
0〜1歳ぐらい向けの絵本って1冊読むのに2〜3分ですが、そのたったの2〜3分でも、「今この時間は目の前のこの子に向き合っている」と感じられる。
毎日「向き合えている」「できている」と思えること、その気持ちの積み重ねによって自分がとても救われていたなーということを思い出します。
「もっと色々できることもあるし、やってあげたいこともある。もっといっぱい子どもに時間をかけなきゃ」という想いがあるのに、でも仕事もある中で時間を取れない自分、やってあげたいことができていない自分が嫌だと思っていたけれど、、、
「これで十分!」と言えるぐらいの100%の完璧な状態を目指さなくても、1冊の絵本を通じて子どもに向き合うたった2〜3分の時間を積み重ねていくことで、「ちゃんと向き合えている」と自分を認めてあげられるし、前向きになれる。そしてその良い状態で子どもに向き合えることが、また自己肯定感に繋がっていくという不思議。時間の長さじゃなかったんだなぁー。
そういえばその頃、どっちも中途半端だという気持ちになっているというテーマで自分のコーチにも話をしていたけれど、コーチングで話していた時の私と、子どもに絵本の待ち読みをするようになった後の私の変化にコーチがビックリしていたな(笑)
そんなこんなで本を読み続けて1年以上ですが、子どもはすっかり本好きに。読んでほしいと次々と持ってくることもあるし、自分ひとりでたくさん本を出して何冊も読んでいることも。
何を「好き」になるかは親ではなく子どもが決めることだけど、その”何か”に触れられる機会や環境を用意できるのは親だと思うから、子どもの「好き」のきっかけや機会をひとつ用意できたのはよかったな、と思いつつ、一番助けられたのは私というお話。
※この写真は講座の半年後ぐらいに、早苗さんのはたけのほんやに伺った際のもの
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