なぜ、モンテッソーリ教育を学んだのか?

モンテッソーリ, 育児


先日、1年間モンテッソーリ教育を勉強したトレーニングセンターを無事卒業しました。色んなことと並行してやっていたので、勉強も提出物も常に納期ギリギリで時間に追われる日々でしたが、学びが多く、素敵な仲間にも恵まれ、充実した楽しい1年となりました。
1年間の学びを終えた今、なぜモンテッソーリ教育を学ぶことにしたのかを振り返って記録しておきたいと思います。


私がこれまで採用、教育、キャリア支援、コーチング等に携わり、人に関わったりお話をお聴きしたりする中で、折りに触れ、人が幼少期に置かれた環境、受けてきた教育や体験などの影響を感じることがありました。

例えばコーチングでは、クライアントの望ましい未来やあり方について、その実現のために思考や行動を変化させるようご支援していく際、【人はもともと創造力と才知にあふれ、かけるところのない存在である】という考えを礎としてクライアントに関わります。つまり、その人は”できる”能力をすでに備えている存在であるという前提の元でご支援していきます。
ですが、仮にクライアントが幼少期において、例えば親御さんや周囲の人たちの価値観を押し付けられたり、一方的に教え込まれたりすることなどによって自分の自発的な発想や能力が抑え込まれるといったご経験をされていた場合、成長して大人になってからもそのご経験が制限となり、自分らしくいることが難しかったり、ご自分の力を存分に発揮することができないというケースがあります。

実際私自身も子どもの頃、当時の自分にとってインパクトがあって印象的だった両親の会話のやりとりがあったのですが、それがずっと自分の中で記憶や印象として残っていて、自分の価値観や発言・行動につながり、自分らしくない自分だったなということに気づいたことがありました(後にその価値観からは開放されることになったのですが)。

クライアントの目的にそってコーチングの様々な手法でご支援、お手伝いさせていただいていますが、大人になった今でもなお影響を与え続けるその幼少期の経験や価値観に驚くのと同時に、幼少期という人格形成に大きな影響を与える時期にもサポートすることができれば、もっともっと多くの人が、自分の持つ素晴らしい力と魅力を発揮して、自分らしくいることができるのではないか・・・ そんな風に考えていました。


そんな折、自分自身が子どもを授かる機会に恵まれ、「親として子どもがどのような幼少期を過ごせるよう援助していけば良いのだろうか?」と考えるようになった時に、モンテッソーリ教育の存在を知ります。
そして、【子どもには、自分で自分を育てる力が備わっている】という自己教育力の存在を前提とするモンテッソーリ教育は、前述したコーチングの前提ともつながるところがあり、すぐに共感したことを覚えています。

その後、保活でモンテッソーリのこどもの家を見学に行かせていただいたり、モンテッソーリ教師のご経験がある方のお話をお伺いするうちに、

・大人が大人の都合を押し付けるのではなく、子どもが自発的に活動することを尊重する
・自由が保証された適切な環境やアプローチの中で、子どもが持っている力を存分に発揮し、自分自身の力で自分を成長・発達させることを促す
・そのことが子どもの自信・自尊心へとつながり、自立していき、生涯において自発的に行動し考える姿勢を持つことができることを目指す

というモンテッソーリ教育を魅力的に感じるようになっていきました。


そして受験、入学し、1年間仲間と共に学び、実習の場ではたくさん実践の機会をいただき、筆記試験・実技&口頭試験を経て・・・ 先日、国際モンテッソーリ協会(AMI)公認 モンテッソーリ国際免許(ディプロマ3~6歳)を取得することができました。


この1年間を振り返って思うことは、モンテッソーリ教育について学んできたことで、自分自身がとても助けられたということ。

・発達の段階を知っておくことで、子どもがどのような過程を歩んでいくのか予測がつき心の準備ができるので、恐れや不安がなかったこと
・「なんでこんなことするんだろう?」と大人から見て不思議に思える行動も、不可解でイライラすることなく発達の段階のひとつなのだと捉えることができたこと
・子どもの自立を目指す上で、大人としてどのように環境を整えると良いか、どのような関わり方によって援助していくことができるかを知ることができたこと
・子どもが今何をしているのか、何に関心を持ち、どんなことに集中していて、何を自分でやりたいと思っているのか・・・など、子どもの状態をよく観察するようになり、成長の過程にある子どもが、今は何をできるようになりたいのか(どんな能力を獲得したいと思っているのか)をキャッチしてそれに応える、必要に応じて手伝うというスタンスが形成されたこと

おかげで子どもの受け止め方、子どもへの向き合い方が変わり、今までよりもさらに育児が楽しくなりました。そして自分が良い状態でいられることは、結果的に子どもにも良い影響があるようにも思います。


最後に、”アルバム”と呼ばれている、自分が自分のためにつくる教科書のようなものを、学びをがんばった証として。


コロナで緊迫した状況が続く中、なんとか授業を継続しようと細心の注意を払いながら学びの場を提供し続けてくださった先生方、コロナの中でも実習を受け入れてくださった実習園のみなさん、その実習園でたくさんの気づきをくれたお子さんたち、学びの機会に快く送り出してくれた家族・・・、色んな方のお力をお借りして、一年間なんとか走りきって来られたことに今、本当に感謝しています。


というわけで、
一人の親である私自身が、モンテッソーリの学びが自分自身や自分の育児をとても助けてくれているなと感じているので、これからはコーチングという関わり方だけでなく、モンテッソーリで学んできたことも何らかの形でお役に立てながら、大人も、子どもも、親も、みんなが自分らしく生きられるよう少しでもお力になれればいいなと思っています。

明日から新年度。
また楽しい1年になりますように。


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