いつの間にか、同じ役割をずっと自分がやっていて疲れたら

コーチング, マネジメント, 日々の気づき, 関係性

私が学び実践していることの一つにシステムコーチングというものがあります。
システムコーチングは平たく言うと2人以上の関係性を扱うコーチング。例えば、プロジェクトチーム・部署・夫婦・家族などです。

私はコーチングをする側でもあるのですが、夫婦でシステムコーチングを受けるということもしています。
個人コーチングにせよ、システムコーチングにせよ、コーチングを学ぶ最大のメリットの一つは、コーチング受け上手になることだと思っています(笑)。受け上手になると自分自身が変容しやすくなるのでラッキーなんですよね。

さて、システムコーチングでは、外的役割・内的役割というものを扱ったりします。
関係性の中には、表面的に明示されているような役割の他に、自然発生的に生まれる役割もあります。
特に明確に決めていないのだけど、いつも同じ人がやっていることってありませんか?例えば、「いつも最初に声を出す役割」「面白いことを言う役割」「暴走を止める役割」などです。

【外的役割】
組織や関係性がうまく機能することを目的とした、表面的な役割
例)組織であれば職務など、家庭であれば家事・子どもの送り迎えなど

【内的役割】
関係性における感情的なニーズや機能を特定の人が引き受けることで生まれる役割
例)アイディアを出す人、保守的意見を出す人、背中を押し応援する人など

我が家では、「家のことがスムーズに回るようにマネジメントする役割」が自然と妻に紐づいていました。

我が家は家事の担当を明確に決めていないので、私もゴミを出したり、ご飯を作ったり、子どもを送ったりすることはあるのですが、全体マネジメントはいつの間にか妻の役割になっていたんです。
私は、家にいれば実務をすることはあるものの、ゴミの日がいつとか、冷蔵庫には今何があるかとか、子どもの行事とかは全く把握していない感じ。

この役割が特定の人に固定化してしまうと疲弊したり、混乱するということが起こったりするんです。例えば、ずっと「面白いことを言う役割」を発揮し続けていたら、確かに疲れる時がありそうですよね。。

我々夫婦の話に戻ると、どうも最近妻が大変そうだなと感じていたんですが、システムコーチングを受ける中で、「家のことをマネジメントする役割」が妻に固定化してるからかもという気づきが夫婦の中に起こったんです。

家のマネジメントって365日だから休みないんですよね。and 妻はもともと直感に従って外に出て行くのが好きな性質でそのような時間も大切にしたかったり、仕事のボリュームが増えて仕事に集中して取り組みたいときもあったり。
たしかにこの役割をずっと持っていると、他の役割を満足に果たすことができなくなったり、全ての役割をこなそうとすると疲弊するなと。

ただ、この役割って特定の人が担う必要はなく、実は役割と人とは切り離すことができるんです。つまり役割交換したり、分担したり、新しい役割をとったりできるということ。
そりゃそうでしょと思うかもしれませんが、役割は無意識に特定の人と紐づいてしまっていることが多くて、そのうち他の人はいつもその人がその役割を担ってくれることを期待し始めるので、意識しないとなかなか役割と人は切り離せません。

──

ということで、我が家では意図的に役割の交換を実施。
一週間、私が家のマネジメントをしてみました。

最初にしたのは、ゴミの日カレンダーの入手(笑)。
住んでいる市区町村のアプリを入れるとなんと前日に「明日は可燃ゴミの日!」と通知をくれます。マネジメントしようにも、私はこの手のことを全く覚えられないのでありがたい・・・!
そして洗濯物の溜まり具合と冷蔵庫の管理。子どものあれこれ。

そんなことをしつつ一週間過ごしたところ、妻が「とてもゆとりができた」と喜んでくれたんですよね。
それは嬉しいなと思いつつ、自分自身は、「あれっ、思ったより大変じゃないな・・・」と気づいたんです。もっと負担が多くて大変かと思っていました。

これ何でかな?と考えたら、残念ながら自分のマネジメント能力が高いからではなくて(笑)、実際は家のマネジメントを2人体制でやっているからだなと。妻はもともと家のことをスムーズに回すマネジメントをしていたので、気づいたことは自然とスッと行動している。全体で足りないところを自然と補完してくれていた感じです。

それでも妻からすると、全てを一人でマネジメントしなければというプレッシャーとは全然違うし、私も負担感が少なくて、全体を見えている嬉しさすらちょっとある。
これは非常に面白い発見でした。

役割交換を試みながら、想定していなかった2人体制のマネジメントになっていっていて、それが家族システム(=家族の関係性)にとって結構いいじゃん!と。

ちょっとした役割交換の試みであっても、始める時は結構不安になるものです。いや〜正直仕事回るかな・・・とか思ったり。

それでもちょっとその気持ちを超えてやってみると、想定外の結果が待っていたりする。もちろん上手くいくこともいかないこともあるんですが、こういう想定外の結果や発見が面白いんですよね。

そして副産物。子どもも「家のことを回す役割」をやってくれました。
家族システムの中でそれぞれが意識的に役割を分担しはじめています。

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